2005年05月24日

彼女たちの現実

今日は昼休みにゆっくりルシアと話をする時間があり、アルチに来ている子たちの事情を聞くことができた。まだ10歳の子は祖父に性的虐待を受け、ひどく傷ついた状態だという。母親がその祖父を告訴し、今は刑務所にいるが、当初祖母や母親のきょうだいは家族の恥になるからと告訴に対して否定的だったという。その子には今も心理カウンセラーがついているが、不安定な状態が続いている。それはふだん見ていても何となく感じていたことだったが、そんな目に遭っていたとは知らなかった。また叔父に4年間も虐待を受け、ずっとカウンセリングを受けている子もいる。いつも穏やかでニコニコしているあの子が…と信じられなかった。

路上に出ている子はたいてい家に問題がある。家族からの性的虐待がある場合、他の家族がそれをオープンにしたがらない。収入のない母親なら、稼いでくれるパートナーを失いたくないという気持ちで見て見ぬふりをする。子どもより夫を取るのだ。母親から売春を強制されていたという子もいる。よくある話では、母親に「何でもいいから稼いできなさい」と言われて外に出され、でも子どもを雇ってくれるところなどなく、結局売春に行き着くという。そして母親は子どもが何をして稼いだかについては聞かず、お金だけを受け取るという信じられないことが起きている。そんなの親じゃないだろうと思うけど、これが現実だ。アルチに通い始めて約1年、ようやくいろんなことがわかってきた気がする。


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Posted by passarinho at 20:44│Comments(0)現地レポート
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