2008年05月03日

エマウス便り

前回エマウス・ベングイの訪問記いらいご無沙汰してしまいました。
3月4日からエマウスが再開され、週3日のペースで朝9時から午後5時までエマウスのArte de Viver(アルチ)に通い始めました。

アルチには13歳から17歳までの少女達が、人形のリサイクル、ロックミシンを使っての縫製、そしてアマゾンの果物の種をビーズにしたものを使ったアクセサリー作りを習いにきます。

しかし、3月中はアルチのこうした活動は再開されず、3月の国際婦人週間にちなんで年頃の少女たちに、女性について、そして女性としての自分自身について考え語り合ってみようということで、話し合いの場、テーマ性を持った映画鑑賞、自分達のメッセージを盛り込んだポスター作りなどが行われました。
話し合いの場では、LuciaやElisangelaから少女達に女性問題について様々な問いかけがなされましたが、少女達は人前で意見を述べたり、考えをまとめたりする事にあまり慣れていないように見えました。全体として活発な意見交換がなかったのはちょっと残念ですが、こうした試みの中で少しずつ人前で自分の考えを述べることが出来るようになるのでしょう。
かくいう私自身も人前で自分の考えを述べるというのは旨く出来ません。
ましてポルトガル語で意見を述べるなど、とても、とても。
時にLuciaから意見を求められましたが、少女達の視線の中で手持ちの僅かなポルトガル語で何かを話すというのは大変でした。

3月は、どちらかというと静かな日々の中に過ぎましたが、3月終盤に連日大雨が降って、ある朝エマウスの食堂とSala de Danca(ダンスの教室)、Sala de Musica(音楽の教室)が床上浸水していました。アルチの建物は少しだけ高い場所に離れて建っているので、無事でした。
この季節は大雨が続き、あちらこちらで冠水騒ぎがあるようです。
その日も道路などが冠水している為に休みの子が多く、出てきた子供達も家に帰されました。
スタッフ達は床上浸水の後片付けをしなくてはなりません。
エマウスの前にはドブ川が流れています。もしこの水が上がっていたら汚いなぁと気になりましたが、どうやら雨水だけのようで安心しました。
それでも、蚊に刺された傷跡が沢山ある私とまい子さんはバイ菌感染をしないように、床上の雨水を掻き出す作業から外してくれました。

それから2~3日後、アルチでは活動再開前の大掃除が行われました。
床に漂白剤と洗剤を溶いた水をぶちまけて(そんな感じ)、床ブラシと箒で床を擦りながら水を掻き出します。
私達も少女達に教わりながら床掃除に参加。
3月中行われた話し合いの場などで、どちらかというと不活発でかったるそうに見える子が多かったので、この床掃除で実に実によく働く少女達の姿に驚きました。そして感心しました。
もたついている私にも手際よく段取りを教えてくれて、本人も重いバケツを運び勢いよく水を撒き、一生懸命箒で水を掻き出しています。
私も汗びっしょりになって少女達と頑張りました。こうした作業の中で味わえる一体感は嬉しく気持ちの良いものです。
アルチの床は裸足で歩いてもいい程きれいになりました。
後日、Luciaとこの日の事を話した時、この床掃除に少女達がアルチにあった洗剤数箱と漂白剤を全部使ってしまったとLuciaが笑いながら言っていました。

さて、4月8日、裁縫教室再開です。今まで静かだったSalaにミシンの音が響き、なんだか急に活気が出てきたようで嬉しくなりました。
この日、私はJennyferと一緒にビーズ磨きをしました。Jennyferは今18歳ですが、17歳までArteの少女でした。物覚えが速く、器用で、今年から他の少女達にBijuteria(アクセサリー作り)を教えます。実はJennyferはDaglasという2歳の子のママなのです。時に私よりも落ち着いた大人の風格を感じさせる女性です。
アルチの少女達の中には、もし環境に恵まれ、機会に恵まれていたなら、なかなかの能力を発揮するだろうな!と思わせる子が何人かいます。

翌日、私は初めてマクラメを教えることになりました。
マクラメは紐を結んでバッグやカーペット、ベルトなどを作る手芸の一つです。
私なりの色々な想いや判断があって、将来ボランティアに活かせたらいいなと習い続けたマクラメですが、いざボランティアの現場に立つと、このような面倒臭い作業いったい何人の少女達が興味を持ってくれるだろうか不安になります。物珍しさも手伝ってか、この日8人の少女が参加してくれました。基本的な結び方を練習しました。覚え方には個人差がありますが、早く覚えたVanessaが、ちょっとまごついている子がいると教えてあげたり、手直ししてあげたりしている姿が印象的でした。
驚きはJennyferです。Jennyferは私の手元を一回見ただけで覚えてしまいました。最初私がマクラメを習った時には、とてもJennyferのようにはいかず、何度も先生に手ほどきしてもらったことを思い出して、Jennyferの感の良さに驚いています。
あと一人、Janeteですが、この少女は口数が少なく内気で、それまで私は接点を持てないままでした。
ですから、Janeteが参加してくれて、しかも仕事が速く丁寧で、黙々と糸を結び人より早く出来上った時には持っている限りのポルトガル語で褒めてしまいました。
その後今年からアルチに来た4人姉妹が参加しました。その中の一番下の子Laisaがお姉ちゃん達と一緒にマクラメに挑戦して、最後まで頑張って糸を結んでいる姿が可愛くて、心の中で応援しています。
Laisaのすぐ上のお姉ちゃんのLuisaがこれまた器用で、Laisaを初め自分より年上の姉妹LarissaやNaianiに教えています。一番上のNaianiは妹に先を越されてちょっとブツブツ言っていました。

今は10~13人程が第一作品として小さなバッグを作っています。出来上がるまでに、週一回1時間半で4回位かかるでしょう。慣れればもっと早く出来ますが、それまで何人の少女が興味を持ち続けてくれるでしょうか??全体的に、私が思っていたより器用で覚えが早いです。それだけに、マクラメに使う糸の材質が日本のものに比べると大分落ちるのが残念です。

。。。 続く 。。。


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Posted by passarinho at 05:55│Comments(0)現地レポート
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